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“集約”と“先読み”の棲み分けで広がるチャットボットの可能性とは?(後編)- 株式会社 空色 CEO 中嶋洋巳さん

前編では、株式会社 空色のCEO・中嶋洋巳さんにWEB接客ソリューション『OK SKY』の成り立ちと役割についてお聞きしました。今回は具体的な“事例”を中心にお話を伺います。

ナノ・ユニバースでの導入例にみるBotのEC活用例

すでに阪急百貨店のうめだ本店に空色の「チャットボット」が導入されています。そこで判明したのが、年間約100万件から「あの店ってどの階にありますか?」という問い合わせがあること。これまで、こうしたFAQはすべて電話対応だったところを、各階フロアマップ等にQRコードを貼り付けてチャットボットにつなぐことで自動化したそうです。

——さらに、『OK SKY』を導入しているナノ・ユニバースの事例では――

中嶋 洋巳(以下 中嶋):
チャットを通じた商品の提案というのも積極的に行っています。弊社の集計だと、チャットすると平均で10人に2人は商品購入にまで至ります。アプリケーションであれば、さらに高い購入率が期待できます。

コンバージョンレートは10~20%くらいが常に維持できていて、チャット接客の中での売り切る力というのは、運用側でしっかり持っているのが強みです。チャットボット化していくことで、お客様からの『洋服を探しています』『届いた商品が違います』といったことに24時間対応可能になり、またボットが答えられないものは人間が対応する体制を整えています。

こうしたBotから人へ、というシームレスな連携が実現できましたので、チャットボットが動き出してからナノ・ユニバースさんのチャットを通じた売上高は、実際に2.5倍から3倍にもなっています。年間を通じてもかなり伸びているので、おそらく今後アプリケーションを中心にチャットボットは、国内でもどんどん当たり前の機能として入ってくるだろうと感じています

——それ以外の対応が必要なら有人チャットセンターか既存の問い合わせフォーム等のチャネルへ送客。このシステムの融合こそ、『OK SKY』の本領であり、またこれからのWeb接客ツールに求められるべきポイントになりそうです。では一体、どのような業種との相性が良いのでしょうか?

中嶋:
例えばベッドを売る場合、年間に1つ買い替えればいいほうですよね。しかし、それでは継続的な購買にはつながらないので、周辺寝具のシーツや枕なども提案していくと、1年に4回くらいは購入チャンスを作れるかもしれない。こうした継続的なコミュニケーションをエンドユーザーと図りたい法人の方には非常に相性が良いです

空色が提供しているツール自体は、金融、保険、メーカーと多彩な業種に対応可能。マンションの入居者支援を行うようなサービスやレンタルサービスもあります。またツールの提供だけでなく、チャットボットなどから得たデータを基にしたコンサルティング事業も行っているそうです。

カリスマオペレーターたちの活躍が、さらなるチャットボットの進化を促す

AIと人間のタッグともいうべき『OK SKY』では、オペレーターの技量も重要になってきます。中には、その人からしか服は購入したくないなど、特定のオペレーターが“カリスマ化”することもめずらしくないとのこと。そういったノウハウをログデータとともに蓄積することで、チャットボットのクオリティ向上へも一役買っています。

中嶋:
弊社側でチャットログデータを大量に保持していますから、ログデータを活用したチャットボットというものを構築していくので、様々な対話の自動化に幅広く対応できます。
ゼロから構築するチャットボットとは違い、短期間で精度の高いチャットボットを提供できるようになってきました。
将来的にはチャットログデータのDMP提供を検討しています。

あとはコンサルティングにも近くなってきますが、よく見るチャットボットだと、問い合わせに返答するとそこで終わってしまうんです。『IDがわかりません』『IDはこうやって調べたらいいですよ』で終了。IDがわからなくてログインしている方って、購入直前でログインしたいけどIDがわからなくて問い合わせしているケースが多いんです。こういった購買のチャンスがある問い合わせは、チャットボットで完結させずに、エンドユーザーが求めていれば人に繋ぐ会話を作っています。

こうすることで、某企業だと全体の15%くらいのユーザーが商品購入へとつながるそうです。単価1万円だとしても、月に150万円の売り上げが、同じことをやっていても上がる計算になります。チャットボットがやるべきことと、人間がやることをしっかり棲み分け、ログデータをさらに活用することで、短期間で高性能なチャットボットが作成可能だと中嶋さんは言います。

『OK SKY』の活躍からもわかるように、効率化とユーザーに寄り添うチャットボットのシステムがEC全体にもたらす影響は、今後も大きくなっていくに違いありません。

聞き手/構成:津田昌宏
撮影:秋山崇

OK SKY ChatBOT

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