BOT LABO

“集約”と“先読み”の棲み分けで広がるチャットボットの可能性とは?(前編)- 株式会社 空色 CEO 中嶋洋巳さん

AIやチャットボットを使ったサービスは、さまざまなビジネスソリューションを社会にもたらしています。しかし、その活用法を具体的に知らなければ、チャンスを逃すことにもなりかねません。そこで今回は、Web接客ソリューション『OK SKY』を開発・運営する株式会社 空色のCEO・中嶋洋巳さんに、チャットボットの運用法や、これからの社会においての重要性について伺いました。

ファッションアパレルのECにコミュニケーションを導入

中嶋さんは、前職のNTT西日本でさまざまな事業開発に携わり、その一つとしてファッションに関するコーディネート事業を立ち上げます。それをきっかけに、コミュニケーションを用いてアパレルの販売を促進させられるということを掴み、独立して株式会社 空色を起業。

中嶋 洋巳(以下 中嶋):
空色では、最初からチャットツールを提供していませんでした。まずは自分たちでチャットサービスを運用し、どれぐらいの効果が得られるのか検証することから始めました。

検証するために、自社運営のコミュニケーションサービス「PRIMODE」を2014年12月から開始し、エンドユーザーがプロのスタイリストにファッションに関する相談を行うと、スタイリストからスタイリング提案を受けられるコミュニケーションサービスを提供していました。

このサービスを2015年から1年間実施した結果、順調に売り上げを伸ばし、かつ、こうした(アパレルの販促ツールとしての)コミュニケーション・システムの顧客ニーズを具体化。そこで得たノウハウとデータを集約し、翌2016年WEB接客ソリューション『OK SKY』をリリースしました。

『OK SKY』は何ができるのか?

「チャットツール自体は国内外でもたくさん登場していますが、『OK SKY』が重視しているのは、導入いただくお客様が運営されているECサイトやアプリケーションに、継続的なコミュニケーションを生み出せるか、といった点です。主な用途として、EC上での販売促進や来店促進でしたが、昨年から既存コールセンターの業務効率改善の依頼も増加しています。」

——継続的なコミュニケーションとは、チャットツール導入側とエンドユーザーとの文字通り継続的な関係を表しています。では「OK SKY」とは、そもそもどういったサービスで、どんなメリットがあるのでしょうか。

中嶋:
OK SKYの様なチャットツールを導入する際に重要となる点は、どのような顧客体験を実現したいか、明確に定義することにあります。コンシェルジュサービスの様に高い顧客満足度をエンドユーザーに提供したいと考えておられれば、エンドユーザーが洋服購入に迷われている際に、自宅でサイズが分からない時の相談に乗るだけでなく、既にお持ちの洋服と組み合わせた提案を行うなど、店舗とECサイトに大きな差となっていた接客を実現いたします。

卒業式に関する洋服相談はお父さん、お母さんから日々届いています。
導入されるお客様の目的により、チャットサービスを通じて様々な顧客体験を実現することが可能です。

空色では「チャットボット(=接客の自動化)」が担う領域を、サービス導入時に実施する要件定義にて設定し、チャットボットが担わない領域を設定するそうです。
これまで同社が培った膨大なチャットログデータを活用することで、短期間で低コストなチャットボット構築を実現されています。

中嶋:
チャットボットが回答困難な場合は、シームレスに有人対応か他チャネルに遷移を促すことで、顧客満足向上にも貢献いただけるようです。空色ではAIと人間を組み合わせたチャットセンターを提供し、エンドユーザーの幅広いニーズに対応しています。

AIと人間の棲み分けと、『OK SKY』の提案する”先読み”

そこでアパレルの顧客を想定した場合、AIの部分と人間がやるべき部分の設計について、棲み分けのコツを聞いてみました。

中嶋:
まず確実に難しいのは、お客様の会話への返答が、ユーザーによって正解が変わるものですね。『明日どんな服を着れば良いのですか?』などは、正解がないですよね。もちろん、正答率をあまり重視せずに実行する形であれば返答は可能です。

しかし、人によって受け取り方が違うものを自動化していくのは難しい。エンターテイメントならいいんですけど、特定の目的に沿った会話を制作するのは、まだハードルが高いなと思います。特に、クレーム対応などはやはりオペレーターが必要ですね。

——なるほど、確かにAIが自動で返答するのは可能ですが、多様性を持ったニーズにまでは、まだまだ対応しきれないということのようです。では「OK SKY」の独自性というのは、どこにあるのでしょうか。

中嶋:
OK SKYの独自性としては、チャネル統合型コミュニケーションを実現出来る点にありますが、顧客体験として「先読み」を実現する点を重視しています。
例えば半年前にお子様が生まれたというチャットをしている方がいたとしたら、半年後に6ヶ月目の子供服を提案してあげるといった体験です。

チャットログデータ保持期間の長さと個別ユーザーの識別機能により、エンドユーザーのチャットログから、どのような背景でどんなアクションをしたのかを理解することで、あらかじめ先々に求めることを予測し、提案することが可能になります。

チャットを通じて大量のデータを取得したとしても、自動的にチャットボットを進化させることは出来ません。チャットボットを正しく進化させるためにも、エンドユーザーへどのような体験を設計するべきかをお客さまが設定している必要があります。

年齢も違えば性別も違い、さらには言葉遣いも違うといった場合にも対応するからこそ、体験設計へのノウハウが蓄積されていくというわけです。

また「空色」の強みは、ツールの提供と運用を両方していること。チャットボットだけでなくチャットセンターの運用まで行っている企業はわずかだそうです。そのおかげで、ツールを使う接客オペレーター用UI改善等、運用改善の対応はスピーディー。より使いやすいツールとして洗練されていきます。

【具体的な活用事例は後半でご紹介!】
“集約”と“先読み”の棲み分けで広がるチャットボットの可能性とは?(後編)- 株式会社 空色 CEO 中嶋洋巳さん

聞き手/構成:津田昌宏
撮影:秋山崇

OK SKY ChatBOT

タグ: ,

[PR]

  • SMART Message BOT