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ロボスタの編集長に直撃!ロボットの可能性を聞いてみた(前編)

近年多数の企業がロボット業界に参入しさまざまなサービスを展開しています。
ロボットによる業務自動化も注目されている中でロボット需要は今後も上がり続けることでしょう。
そこで今回はロボット情報を発信するWEBマガジン『ロボスタ』の編集長・望月亮輔さんにお話を伺いました。

ロボットスタート株式会社 取締役 / ロボスタ編集長 望月 亮輔さん

■BOT(ボット)という言葉をどのように捉えていますか?

ーーBOT(ボット)はロボットを語源とした言葉ですが、望月さんはどのように捉えていますか?

望月:
私もBOT(ボット)とは「自動化されたプログラム」というイメージがあります。
ロボットの語源もチェコ語の強制労働を意味する「ロボッタ」と言われており、労働者の下について「人がめんどくさいことをやってくれる」というより利便性を求めて誕生しました。
ロボットとBOT(ボット)の最大の違いはハードウェアの有無と認識しており、BOT(ボット)はソフトウェアとして搭載されるものだと認識しています。

■注目のロボットとは?

ーーロボスタではスマートスピーカーの記事も多数扱っていますね。スマートスピーカーをロボットと捉えているのでしょうか?

望月:
スマートスピーカーがロボットかと聞かれたら、人によって捉え方は違うと思います。それよりも私たちは、スマートスピーカーの普及の先に、ロボットの進化を見ているんです。コミュニケーションロボットという、人とコミュニケーションを取ることを目的としたロボットが多数発表されていますが、現状ではまだ人が満足するコミュニケーションができているとは言えません。その点スマートスピーカーは音声によるコミュニケーションの”一部”を完璧にこなせるようにと進化し続けています。価格が安いこともあって一般家庭に普及し始めているため、これから先ユーザーの会話データを蓄積していくことでコミュニケーション能力も上がっていくはずです。それが将来的にロボットに搭載されるという進化を見ています。

ーースマートスピーカー以外に、注目しているロボットやコンセプトが面白いロボットはありますか?

望月:
各社いろいろと特徴がある中で、コミュニケーションロボットの分野で尖っているのは「MEEBO」ですね。

◆meebo
https://unifa-e.com/news/pr/chardin.js-master/meebo/0805.html

MEEBOは幼稚園や保育園に設置するロボットです。
子供がMEEBOに話しかけるとおしゃべりして子供たちの相手をしてくれるのですが、MEEBOの凄さ、ビジネスモデルの面白さは別にあります。MEEBOには、メインの機能として子供が笑顔になったら写真撮影をしてくれる機能があります。
例えば運動会とかお遊戯会というイベント開催時には幼稚園・保育園側が写真を撮影して保護者に購入してもらうケースは昔からありました。ただ日常の写真を購入できるケースはほとんどありません。
このMEEBOは日常の風景やお友達とのやり取りの中で楽しそうな瞬間を撮影してクラウドにアップしてくれます。
保護者はクラウドから写真を選び購入できるので、普段見ることができなかった幼稚園にいる間の子供の様子を知ることができるんです。

ーーこれはいいですね!ちょうど子供がこの春から保育園に通い始めたのでどのように過ごしているのかは非常に興味があります。間違いなく買うと思います。

望月:
ロボットって「生活を便利にする」に注目されがちなんです。でも違う視点で「人の心を豊かにする」という方向性でMEEBOは考えられています。
子供と遊んだり、しゃべったりする瞬間を保護者が目にできる良い事例だと思います。
あとはSONYさんのaiboのようなノンバーバルなロボットにも注目しています。

◆aibo
https://aibo.sony.jp

ーーaiboは少し前に大々的に取り上げられましたね。

望月:
BOT(ボット)というかチャットボットにも言えることなのですが、まだまだ「会話」は難しい分野です。特にコミュニケーションロボットに関する会話処理は各社力を入れていますが、まだまだハードルは高いと言われています。

例えばロボットに、「お疲れ様、今日はどうだった?」と聞かれて「お昼に餃子を食べたら醤油が服に付いて大変だったよ」と答えた時、ロボットが「大変だったね」と返事をしたとします。一見会話が成立しているように思えますが、「餃子」も「醤油」も「醤油が服につく辛さ」もわからないのであれば、このやり取りは会話なのか?そもそもコミュニケーションってそういうものだっけ?と疑問が生じます。自分のおばあちゃんがこのやりとりをしていたら、微笑ましいと同時に、少し悲しい気持ちにもなるのかな、と。

ーー結局1人でしゃべっているみたいですね。

望月:
aiboなどのノンバーバルコミュニケーションロボットは、難しい会話ではなく、会話以外の振る舞いでユーザーとのコミュニケーションを取っているんです。

【参考】
バーバルコミュニケーション:言語を利用したコミュニケーション
ノンバーバルコミュニケーション:非言語(表情、声、行動など)を利用したコミュニケーション

とにかく可愛らしい動作、愛くるしい仕草に注力しています。ロボットの方向性としてはこの方向性も賢い選択であり”人を楽しませるロボット”になっています。

ーー人を楽しませる観点は非常に重要ですね!戻ってしまいますがスマートスピーカーも返答が機械的でないと親しみを感じるので、生活スペースに設置しても全然苦だと思いません。

望月:
私は、ロボットは「そこに命を感じさせることができるか」が非常に重要だと思っています。そして命を感じさせるためには、そのロボットに意思があるように感じるかどうかが重要です。
実際にロボットに命を宿す必要はなく、意思があってまるで生きているかのように見せられるかどうか。コミュニケーションロボットにとってはそこが極めて重要で、
aiboが非常に上手だと感じている部分です。

例えば「お手」と言っても毎回お手をしてくれるわけではありません。
aiboだってやりたくない時があると思わせるようなふるまいですね。
また楽しそうにユーザーの元に駆け寄ってきたり、大好きなボールで遊んだりと…
意思があるかのように感じる瞬間があります。こういった作り込みが非常に重要だと思います。

ーーチャットボットも「人格」を非常に重要視しますね。キャラクター性というか。やはり意思があるから親しみを感じるのかもしれません。

望月:
少し話が戻ってしまいますが、ロボットとチャットボットの違いはハードウェアの有無とお答えしました。
ロボットは想像力ではなく既に”もの”が与えられている状態ですが、チャットボットは人間の想像力をフルに活用する必要がありますよね。マイクロソフト社の「りんな」が良い事例だと思います。

りんなもチャットボットなんですが、女子高生らしい一枚の後ろ姿のビジュアルイメージと、会話の内容で、ユーザーは「りんな=女子高生」と考えて、会話を楽しみます。

チャットボットで会話を楽しませようと思えば、キャラクター性を持たせることが重要で、そのためにはロボット以上に設計が必要になるのではないかと思います。
キャラクターを基とした会話のシナリオを作り上げることや、そもそもキャラクターを確立させることができる人材が今後求められるのだと思います。

後編に続きます。

聞き手:Bot Labo編集部

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