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学ばせたい習い事No.1!ロボット教室の先駆者に直撃インタビュー

2020年に小学校でプログラミングが必修化されることはご存知ですか。
またその5年後の2025年には大学入試の必修科目に追加される予定です。
思えば一般家庭にパソコンとインターネットの普及し我々の生活を大いに便利に改革し続けてきました。
今や子供世代はデジタルネイティブ世代として生まれる前からITの恩恵を受容している。
ITを使われる時代から使う世代へシフトしていく中、幼児教育からプログラミングを学ばせたいと考えている家庭が急増しています。
今回はいち早くロボット教室の普及に取り組まれたヒューマンアカデミー株式会社の神野(カンノ)さんにお話を伺いました。

ヒューマンアカデミー株式会社
神野 佳彦さん

■ロボット教室の成り立ち

—ロボット教室を始めようとしたきっかけを教えてください

9年か10年ほど前になりますが、当時から日本の子どもたちの理科離れとか科学離れが叫ばれており、理系分野に興味を持ってもらえる足がかりになるコンテンツの提供を考えていました。
当初は理科実験教室等を始める予定でしたが、たまたまロボットクリエーターの高橋智隆さんとご縁があり、一緒にロボット教室を作ってみたら子供たちに楽しんで学んでもらえるのでは?と考え、ロボット教室の事業に取り組むことにしました。
子供たちが慣れ親しんでいるブロックを使えないかとも考えましたが、自分たちでロボット教室専用のブロックを開発・制作し、それをもって教室展開し今に至ります。

—なるほど!

最初はロボット教室という概念が日本にはない中で、フランチャイズ(以降FC)で展開を始めたのですが、これが本当に大変でした。
やはり子どもたちの対応に慣れているのは学習塾さんだったので、学習塾さんに写真やキットを持って「加盟していただけませんか?」と営業をし始めました。
もう最初はけんもほろろですね、「うちは九九とか算数を教えているところなんだからロボットなんて関係ないよ」といった反応で、結構苦戦した時代や時期が2~3年続きました。
それでもご賛同頂ける方もいらっしゃいました。
ロボットは絶対子どもたちにとって楽しい分野、好きな分野ですよね。
少しずつ少しずつではありましたが、口コミが広がりまして。
またIT分野の技術革新が進んでいく中で、最近ですとAI(人工知能)という言葉をキーに生活にもITが活用されるようになりました。
時代の流れも少しずつ追い風になり、政策とか東京オリンピックをロボットオリンピックにする発言から急激に注目を集めたことなどさまざまなことが追い風になってここ5~6年で伸びてきた事業であることは確かですね。

—ネットで拝見する限り、御社ならではな部分が大きいですね

そうですね、きっとコンセプトに共感いただけたのだと思います。
理科好きの子どもたちを育てることが第一コンセプトなんですが、もう一つ楽しくなければ長続きしない、長く続けないと身につかないの能力開発にも重きを置いています。
ロボット・プログラミングと言われれば、まずはプログラムで制御系、基本を学んでからロボット製作となることが多いです。
でもそれは子どもたちにとって楽しいのかなと…
それなら最初から恐竜を作ったり自動車を作って動かしたほうが楽しいのではないか。
そういうコンセプトを元に作られているので、子どもたちに評価を得ていると感じています。
でもいつかは得点を取るための勉強にシフトしなければならない時期が来ます。
それまでのステップとして、ロボット教室は保護者の方からの評価を得ていると思いますね。

■ヒューマンアカデミーのロボット教室の魅力に迫る

—プログラムを拝見していると、1年半と結構長かったりしますね。長期間続けられる魅力を教えてください。

やはり高橋智隆さんのデザインするロボットが魅力的であることに尽きると思います。
毎月違うロボットを制作するため、都度学べるポイントが異なります。
だから子どもたちは飽きずに「来月どういったロボットが出てくるんだろう?」と凄く楽しみにしてくれています。
もう一つはモノづくり的要素が強いので、ロボット製作に個人差が出ます。
クリエイティブマインドが芽生えたり、製作スピードがが早くなる子もいます。
ロボット教室では、そういった事も加味して飛び級が出来るようにしています。

—飛び級とは面白いですね!

例えばベーシックコースで入会した子が通っているうちにベーシックコースのロボットが簡単に作れるようになり、時間を持て余すようになってきたという事であれば、翌月から次のコースのミドルコースに進級が出来るような制度も用意しています。

参考:http://kids.athuman.com/robo/CI/

弊社のロボット教室は、平均して3年は継続して通っていただいているお子さまが多いです。

—3年も平均して通えるとは…今時の習い事だとあんまり聞かないですよね。

アドバンスプログラミングコースの次にロボティクスプロフェッサーコースというコースもあります。
主に小学校6年生や中学生以上の方が対象となり、同コースを受けて、国立高専等に進学する子も中にはいます。
「科学が好きになってくれたんだな」と思うと大変嬉しいです。

—そこから本当にモノづくりの方に進む子供たちが増えてくるわけですね!

理系分野に興味を持っていただくことがコンセプトですので、ロボット関係や工学系に進む子もいれば、生物系に進む子も出て来ます。
小さい頃から理系分野にも興味を持つことになるので、選択肢がドンドン広がります。
お子さまの進路選択という面でもお役に立てていると思います。

—高専に進んだ子がロボット教室に戻ってくる事例も出てくるのでは?

アルバイトとしてロボット教室で教えるという事例は結構あります。
比較的長く在籍するので、自分の居場所みたいに思ってくれることもあるようです。

—もはや寺子屋風ですね…理系は男性のイメージが強いのですが、やはり男の子の方が多いですか?

93%は男の子です。

—でも7%も女の子が学んでいるのは驚きです

もっと少ないかなって思っていたんですが(笑)
逆に言うと女の子は男の子より真剣ですね。女の子の方が繊細な作り方をします。
全く同じロボットを作って同じ条件下で競争させても意外に女の子の作ったものが正確に動作することもあります。
将来はリケジョになってもらえればと思うことも多いです。
ちなみに私の娘二人は理系に進みました。

—やはり刷り込みが効いたんですかね

パーツを色々と扱いますので、数の概念を知らず知らずのうちに学べます。
それとこれは理系とは違うかもしれませんがコース上がるに従って、写真よりも文字の量が多くなってくるので、きちんとその内容を理解して論理的に製作を進めていかないと完成したロボットは正しく動きません。
そのため、読解力の向上にも効果があるように思います。
プログラミング的思考力は文科省も必要性を示している部分ですので、そういうところに関係していくと思います。

—わりと親御さん的にはプログラムが必修になるといった目先の話よりも、さっきもお話されたお子さんがやっぱり・・っていうきっかけの方が模索する機会が多いですか?

ヒューマンアカデミーロボット教室は必ず体験会・体験授業というイベントを各地で実施し、まずは体験していただく形を取っています。そこで子どもたちに簡単なロボットを作っていただいてその様子を親御さんにはご覧いただきながらロボット教室の特長や料金体系のご案内をさせて頂きます。100%に近い確率で子どもたちは「これやりたい!」と言ってくれます。
中には、お父さんの方がハマるケースもありますが(笑)
本当になかなか自分からやりたいという習い事も少ないかなと思います。

—非常に教育としてもいいビジネスとしても非常にいい形ですね。

親御さんに説明にするにあたって目に見えて伸びてくると言えるものがないので、遊びだとかと思われてしまうことも度々あります。
情操教育でもない、能力開発でもないが、やり続けることによって「継続することで身につく能力」をいかに理解していただくか。論理的にロジックを見せてエビデンスを用いて伝えることに苦労しました。
考える力を身につけることは一番生きるうえで基礎的なものを身につけることだと思います。
考えをアウトプットする手段としてロボットを活用し、子どもたちが興味を持つ。
ロボットは何かしらストーリーがないと動作しないですよね。

そういう意味でも高橋智隆さんのロボットは非常に面白い。
先ほど、毎月課題が違うと申し上げましたが、月によって歯車の組み合わせが複雑なロボットが出てきたり、次の月には動作に微調整が必要で、調整なしではうまく動作しないようなロボットが出てきたりします。
子どもたちの得意不得意があるため、すんなり作れる月もあれば、苦戦したりする月もあります。多くの生徒が最後まであきらめずにロボットを組み立てるので、完成時には凄く達成感を感じることができます。
また、授業の後半には必ずロボットを改造する時間があります、
余ったパーツをどんどん活用してデコレートしていくことで、最後には世界にひとつだけの自分だけのオリジナルロボットになるんですね。
それを講師が上手に評価する、褒めるということを重視しています。
そのロボットは自宅へ持って帰ることができるため、子どもは「これ先生に褒められた」って。親に自慢するんです。

褒められたことを貶す親はいないので、「よかったねー、ちょっとママの前でみせて」というコミュニケーションが発生します。そうして次の月も褒めてもらえるよう頑張ろうと自ら取り組む姿勢も変わる。
ロボティクスという理系の分野のことをやっていながら、実は子どもたちに小さな成功体験を積み重ねて自信を持ってもらうっていうところも我々の考えるロボット教室を通して身につく一つの力だと思います。
こうしたことを意識しているところも他の教室とはちょっと違うところかもしれないですね。
ちなみにヒューマンアカデミーロボット教室ではプログラミングのコースを学ぶためには、基本のコースを学んでいただいてからとなります。
最初はやはりロボットの仕組みを知っていただくことに重きをおいています。
最初はモーターと電池ボックスと簡単なセンサーだけでロボットを作って動かします。
動きの仕組みや動かしたときのイメージができるようになってからプログラミングを学ぶことで、ロボットの制御の理解も深まります。
ちょうど小学校でプログラミング教育が必修化されるのはきっと3~4年生になるので、その頃にちょうどアドバンスプログラミングコースに進級できるような想定です。

—低年齢層にでもロボットが作れるということは、やはり教科書にも工夫があるのですか?

テキストだけだと子どもたちは難しいだろうと思い、写真をメインにカリキュラムを作成しました。
ただ、その写真の撮り方も全部見せてしまうのではなく片方の面のみ撮影し、見えない部分を子供たちにイメージ・連想させる工夫も取り入れました。
当時は本当に小規模な事業だったため、我々スタッフで写真を撮影していました。

■これからロボット教室の運営を考えている方へ

—ちなみにプログラミングがわからない方でもFCに参画することはできるのでしょうか?

はい、可能です。ただし、必ず研修を受けていただく必要があります。
これは実例なのですが、まだ北海道に教室がなかった時代に「息子を通わせたいのだが、いつ北海道に出来るのか?」と問い合わせを受けました。
「未定なので少しお待ちいただくことになるかもしれません」と回答したところ「では、わたしが教室をやっても良いでしょうか?」という提案をいただきました。
その後弊社の研修を受けていただき、教室を開設してただくことになりました。
今や3教室を展開する事業主としてご活躍されています。

—すごいですね!

今や北海道だけでなくそのような方は全国にいらっしゃいます。
最初は低年齢層の早期獲得の補助的な扱いで導入を…という話から主戦力になっている話も聞きますね。
中には学習塾からロボット教室一本に絞っていただいた例もあります。

—そう言う意味ではしっかりサポートしてくれるので、FCにとってもビジネスとしても割とこう見えやすい部分もありますよね

収益面では継続した収益が期待できるっていう面もありますので。
生徒が減るよりも増えていく方が多いので、今は三方良しという状態です。

—ビジネスとしては地域の学習塾に対するフランチャイジービジネスの一環としてロボットがハマるのも納得です

低年齢層から様々な習い事に通い始めるお子さまも多いので、生徒獲得に苦戦している学習塾さんもいらっしゃいます。
ロボット教室はそういった教室の生徒獲得の手助けになり、理念にも共感してもらえているのではないかと思います。
今は学習塾だけでなくパソコンスクールとか音楽スクールや、個人の方がロボット教室を運営されています。
また、全くの異業種ですが工場を経営されている方が、会社の一部を教室にして運営している例もあります。
学習塾の先生も国語とか算数教えていると、それは先生だから教えられて当たり前のように思われてしまっているのですが、ロボット教室で出来ないところを教えてあげると、「先生スゲー!」と言われる。
30年学習塾を運営して「スゲーっ!」と言われたことが初めてで、教える方も楽しくなるとお声を頂くこともあります。

—スクールの増加率を伺うことはできますか?

ここ5~6年は前年対比約130%で推移しています。これは生徒数も同じですね。

—子供が年々減少していく中かなり珍しいと思います

子どもが減っていっても、ひとりの子どもにかけるお金は上昇傾向にあるため、どちらかというと教育意識の高い層には合致しているのではないかなと思います。
逆にそういう教育意識の高い層のご家庭が通わせている習い事だからいいのではないかと認識されるケースも多いです。

■今後の展望

—今後の展望について教えてください

世界大会は是非実現したいです。
今はアジア圏が多いのですが、世界全体に広めていきたいと思っています。

—全国大会も開かれているんですね

はい、今年で8回目です。
毎年面白いロボットが登場するので非常に見応えがあります。
約1300人の観客を前にロボットをプレゼンするので非常にレベルも高いです。
観客は大人だけではなく生徒さんも観戦しますので、「来年こそはあそこの舞台に!」とモチベーションアップにも繋がっています。
また日本だけでなく台湾や中国でも全国大会を開催しています。
5カ国で開催できるようになれば、アジア大会や世界大会も実現したいなと考えています。

—海外にも熱いロボットブーム到来ですね

ただ、ハードルは決して低くはないのが現状です。
国によってはパーツであるモーターをその形のまま輸入できず、電気系統の部品は現地生産ではないといけないと言われることもあります。
またアドバンスプログラミングコースではタブレットを活用するのですが、規制により輸出入できないといったこともあります。
一つ一つクリアし、世界大会を実現したいですね。
また、日本もまだまだ地方の教室が少ないため、精力的に広めていきたいと考えています。
現時点で47都道府県に教室は展開していますが、偏りが出てしまいます。
例えば地方の場合は、教室数がまだ多くないため、車で1時間ぐらいかけて通っていただいている生徒さんもいます。

—やはり地方都市の中心に集まってしまう傾向でしょうか

はい、県庁所在地や政令都市に集まる傾向です。改善に向けて動いています。
あとは…やはり女の子の生徒数を増やしていくことですね。
ロボットには興味ないけどプログラミングには興味がある女の子もいるので、昨年プログラミングだけの「こどもプログラミング教室」も開校しました。
プログラミング教室の場合は女の子の比率が16%に増えるので、徐々に広げたいと考えています。

■まとめ

今回の取材では、子どもたちの興味と関心を引き出し楽しく学ぶことで可能性が広がって行く素晴らしいサービスを伺うことができました。
子どもたちが低年齢層からデジタルやロボットに触れ、モノを作る、そこから将来今の私たちでは想像もつかないサービスを作り出すかもしれませんね。
今後もこの業界に注目が集まりそうです。

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