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テスラキャップをかぶったドーナツ屋のおばちゃん

テスラキャップをかぶったドーナツ屋のおばちゃん

 

編集部より:お待たせしました!ロボットアーティスト、近藤那央さんの連載コラム第二回です。どれがドーナツでどれがサンドウィッチなのか分からない壁一面のメニューがまず驚きですが、アメリカにはドーナツを輪切りしてバンズの代わりにする「ハンバーガー」もあるそうで、ドーナツ=甘いオヤツという我々の常識は“ローカルなもの”だと思い知らされます。
今回はそんな「東京の女の子」が「シリコンバレー」に住んで感じたこと、をお届けします。

 

東京という大都会で育った私からすると、シリコンバレーという場所は私の初めての田舎暮らしである

シリコンバレーはテクノロジーの聖地であって、名だたるテック企業の本社がある。そして、物価がもの凄く高い。
私はここに移り住むまで、そもそもシリコンバレーがどんな街であるのかなんて考えた事も無かったが、テック企業が沢山あるのだから自分が住む東京のような場所、そして街には新しいテクノロジーが点在していると自然と想像していたように思う。

しかし、来てみると街はとても田舎の街という感じだった。建物はたくさんあるけども、建物と建物の間が広いし、平屋中心。車が無いと基本的に動けなくて、それなので駐車場はとても広い。電車はあるけど、線路や本数が少ない。
テクノロジー企業は発展しているけど、行政が何もしないからなのか街のテクノロジーには電気自動車の数を除いて発展の気配は特にない。

こう言うと語弊があるのかもしれないが、関東で雰囲気を考えると、埼玉県北部、千葉県の習志野あたり、神奈川だと藤沢あたりの雰囲気が合ってる気がする。(しかしそれらの方が公共交通機関はしっかりしていると思うが)

 

よくある風景。ここは住宅がメインだがこういった場所に突然と平屋の大きめな建物があると、そこはテック企業だ

 

 

外で食事をとなると、大抵そのレストランはプラザと呼ばれる店が集まり駐車場がある中にある。これは典型的なプラザ。病院やスーパーなどもこういった場所にある。昭和チックな見た目だが、物価の高いシリコンバレーでは値段は大体日本の2倍だ

まぁ、とにかく、街の景色を見ているとまさかここがテクノロジーの聖地だとは思えないし、住宅街を歩いても庭の手入れ方法を学べるだけで、特に知的な刺激を受けられる事も無い。

しかし、たまにああ、ここはシリコンバレーだなぁと思う光景がある。
それは、人とすれ違う時である。例えば、週末にIKEAに買い物に行ったとする。シリコンバレーにはEast Palo Altoと言う場所に大きなIKEAがあり、これがサンフランシスコ方面も含めてベイエリア(2018年10月現在)唯一のIKEAである。そのこともあって、休日のIKEAは巨大な駐車場にも困るほどに凄く混む。巨大な家具の箱をカートに乗せてズラッと並んだレジを見ると、こんなにも家具を買う人がいるのか、、、と思うほどだ。

ここまではよくある光景なのだがテック企業のTシャツを着ている人が結構いる。企業だったり、技術の名前だったり、結構ニッチな物もあって、ああここはシリコンバレーなんだなぁと思う。

そして、企業Tシャツを着ている人というのは必ずしもその企業の従業員というわけでもない。

例えば家の近くにローカルなドーナツショップがある。そこは結構繁盛していて、朝はお客もかなり多いし、アジア系の従業員が5、6人はいてせっせとドーナツやサンドイッチを売っている(そして結構美味しい)
そこのおばちゃんはいつもテスラのキャップをかぶっているのである。

ローカルのちょっと古びたドーナツショップのおばちゃんがテスラのキャップ、、、
タバコ屋のおばちゃんが「社会を明るくする運動」で配られたキャップをかぶっているみたいな感じのノリでテスラなので、このミスマッチが笑ってしまうけれど、いや、まさに普通の田舎の場所でテクノロジー”企業”だけが異常に発展したシリコンバレーという街そのものをおばちゃんが体現しているようにも見えた。

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